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舘 幸男
化学と教育, 71(10), p.420 - 423, 2023/10
高レベル放射性廃棄物の地層処分概念と処分事業の現状を概観したうえで、地層処分の安全評価の方法と、その評価における化学の役割を紹介する。
岡村 浩之
化学と教育, 66(6), p.286 - 287, 2018/06
エマルションフロー法は、近年開発された液液系を利用した抽出技術である。送液以外の機械的な外力は不要で、簡便・低コストと高性能・高効率を兼ね備えた革新的な手法として注目されている。エマルションフロー法は、カラム分離と同様の簡便さで溶媒抽出を行うことが可能である。本稿では、エマルションフロー法の仕組みを解説し、応用例としてウランの回収・除去について紹介した。
小浦 寛之
化学と教育, 65(3), p.108 - 111, 2017/03
「化学と教育」誌のシリーズ記事「超重元素の化学 ニホニウムNhの誕生とその周辺」の第1報として核化学の概説を行う。原子は中心にある原子核とその周りを取り巻く電子からなり、原子核は陽子と中性子の複合体である。原子核はその陽子と中性子の組み合わせにより、または高いエネルギーを与えることにより壊変を起こすことがある。核化学とは原子核の壊変を伴う化学であるが、原子核の壊変自体は原子核物理の現象である。本稿では原子核の性質を原子核物理の観点から概説し、その一般的性質を紹介する。まず原子核の性質を紹介し、ついで原子核の性質を俯瞰する「核図表」とその見方を概説する。その中で改変、壊変、核分裂といった核壊変を核図表の位置と対比させながら紹介する。最後に元素の起源と宇宙のかかわりについて述べ、例えばウランが超新星や中性子星合体といった現象によって起こるという元素合成のシナリオを紹介する。
稲垣 嘉之
化学と教育, 59(10), p.492 - 495, 2011/10
ヘリウムは、無色,無臭,無味,無毒で最も軽い希ガスであり、風船や飛行船等の浮揚用ガスとして利用されている。また、ヘリウムの沸点は4.22K(-268.93C)であり、沸点が最も低い元素であることから、医療における核磁気共鳴画像(MRI)や理化学における加速器の超伝導電磁石の冷却材として利用されている。一方、超高温の分野においては、不活性であり、かつ、気体としては高い熱伝導を有するという特徴を活用して、高温ガス炉の冷却材として利用されている。本報では、熱の移動にかかわる熱伝導,熱伝達,熱放射の現象について概説するとともに、特徴を生かした超低温から超高温までのヘリウムの用途,資源としてのヘリウムの採掘法,埋蔵量について述べる。
臼田 重和
化学と教育, 51(10), p.612 - 613, 2003/10
本報告では、日本化学会化学教育協議会 化学と教育編集員会からの要請により、主として中・高等学校教員を対象に、保障措置環境試料のために開発した極微量分析法について解説した。主に、(1)環境試料分析手法がIAEAによって保障措置の強化策として導入された背景,(2)保障措置環境試料を分析するために、原研がIAEAネットワーク分析所の一員として認定された経緯,(3)環境試料中の極微量核物質を主対象に開発した同位体比分析技術,(4)そのために整備したクリーンルーム施設「高度環境分析研究棟(CLEAR)」などについて紹介する。
永目 諭一郎
化学と教育, 51(9), p.540 - 541, 2003/09
最新の超重元素合成に関する成果、ならびに単一原子による超重元素化学研究の最前線を紹介する。特に110番元素の命名に関する話題や、最近原研で行った104番元素ラザホージウム(Rf)の単一原子化学研究について概説する。
大島 真澄; 初川 雄一; 藤 暢輔; 早川 岳人; 篠原 伸夫
化学と教育, 49(9), p.552 - 553, 2001/09
試料を原子炉などからの中性子で照射して放射化し、それからの線を計測して試料中の元素を定量するいわゆる中性子放射化分析は、その高感度のゆえにICP法などとともに広く行われている。従来は1台の線検出器により測定して得られる1次元のスペクトルから核種の同定を行ってきた。しかしながら、放射性核種は平均して10本オーダーの線を放出するので、少ない核種(元素)を含む試料では問題ないが、数十核種を含む試料では線の本数は数百本以上に達し、これらをすべて分離することは不可能になる。これを回避する方法として、われわれは多重線検出法を開発した。高校の先生を対象とする当雑誌において平易にその原理と適用例などを紹介する。
田村 浩司
化学と教育, 46(7), p.414 - 417, 1998/07
ウラン同位体の代表的分離法について紹介を行った。電磁質量分離法は電磁場中でのイオンの挙動が、その質量により異なることを利用した手法である。ガス拡散法は、重さの違う分子の拡散速度の違いを利用している。遠心分離法は遠心力場で重さの違う分子の分布の違いを利用している。レーザー法では同位体のわずかなエネルギー差を利用して分離している。化学交換法では、6価と4価のウランイオンの酸化還元のされやすさの違いを利用している。これら分離法の原理、特徴、実用化の段階などについて、解説を行った。
永目 諭一郎
化学と教育, 44(11), p.712 - 713, 1996/00
重元素合成に関する研究成果、とりわけ最近ドイツで確認された112番元素合成に関する解説を行う。また原子番号104を越える超アクチノイド元素の化学的性質に関する研究の現況を紹介する。